- 今治タオルは柔軟剤を使用してよいの?
- 柔軟剤の使用頻度は?
- 柔軟剤を使用すると吸水性が落ちた・・・








この記事のもくじ
タオルに柔軟剤を使うとどうなる?
確かに柔軟剤はやわらかさを与えますが、その反面、タオルなどの本来のもつ吸水性を損なう、パイルが抜けやすくなる、毛玉ができやすい、という事態を招きやすくなるのです。
吸水性を維持させたければ、過度な柔軟剤の利用は避けたほうがよいです。




表面がコーティングされるので肌ざわりはよく感じられますが、逆に吸水性が落ちる、滑ってパイルが抜けるなどの症状をもたらす場合があります。
柔軟剤で吸水性が落ちる理由
柔軟剤はやわらかくしてくれるためにありますが、それは洗濯物の繊維を緩くすることでやわらかくなります。
やわらかくするものが繊維の表面につくことで吸水性を阻害します。
しかし、タオルの表面はマイナスイオンを帯びていますから、界面活性剤がタオルの表面に吸着してしまい、表面は膜によって覆われた状態をつくることになります。
つまり、そのつくられた膜によって吸水性が阻害されるということです。
甘撚りタオル・無撚糸タオルに柔軟剤を使うと毛羽落ちが加速する
無撚糸タオルとは?タオルの素材である糸を撚らずに作ったもの・・・
複数の繊維の束を撚り合わせて糸を作りますが、この時の撚りであるねじりを甘くすることで、甘撚りの糸が完成します。
この撚りがない糸が無撚糸になります。
この甘撚りの糸、または無撚糸でタオルを織ると柔らかいタオルを作ることができますが、欠点として毛羽落ちがしやすいタオルになってしまいます。
柔軟剤はタオルをやわらかくしてくれるのですが、綿と組織の間の摩擦や抵抗の力を大幅に落とすことになるのです。
※毛羽を取り除くのには、細かな繊維を集めてくれるくず取りネットがとても効果的です。
今治タオルブランド商品の品質基準の一つに脱毛率があります。
タオルを洗って脱毛率の合格基準が
- パイル「普通のタオル」・・・0.2%以下
- 無撚糸「撚りがないタオル」・・・0.5%以下
となっているように無撚糸は、そもそも脱毛率が高いために基準が甘くなっています。
撚りとは?




例えば、かいこから生糸をとることができますが、その糸は繭からほぐし出したばかりの状態ではとても細いために、糸として使用することができません。
ですから、1本または2本以上にして何本かの束にして丈夫な1本の糸にするのです。
これが“撚り”であり、撚り(より)をかけるという言い方で用いられます。
撚りが強いと固く、撚りが甘いとやわらかい
撚りの強い糸が使われたタオルは固く、ヨコ糸の密度の詰みも強まり、握った感じも固く、コシが強くなっているので固いです。
反対に、撚りの甘い糸が使われたタオルはやわらかく、ヨコ糸の密度は荒く、生地の握り感(コシ)も弱くなっているので、やわらかいです。
タオルに柔軟剤を使う頻度
しばらく使用したタオルであっても、なんかゴワついてきた?と感じてみたり、固くなってきた?と感じて初めて使ってみるくらいが効果的です。
固くなってきたときに柔軟剤を少量使うことをおすすめしています。
次は、洗い方や干し方でやわらかさを出す方法を紹介します。
やわらかくするための洗濯方法




- 大量の水で洗濯する
- 干す前にバタバタと振る
- 日当たりが強くない日陰で干す
- 日当たりが強くない日陰で干す
それでは一つひとつ解説していきます。
大量の水で洗濯する方が良いわけは?
タオルを洗濯ネットに入れ、泳がすように大量の水で洗うように心がけると、汚れもよく洗い流されるだけでなく、「生地が傷みにくくなる」、「毛羽落ちの付着を防ぐ」などの効果が期待できます。




逆に水の量が少ないと、洗濯もののそれぞれの繊維の摩擦が生じることから、生地が傷みます。
すすぎも充分な水量で行うことにより洗剤で薄まった汚れを本来の意味で洗濯し、汚れを洗い流します。
干す前にバタバタと振ってパイルを立たせる
洗濯が終わったタオルは、干す前に、タオルを広げて四隅を伸ばし、両手で持ちながら、空中で大きく10~20回振ってから干すようにします。




そうすることで、シワが伸び、パイルが立つようになります。
振る回数が多ければパイルの立ちも良くなりますし、使用するときのフワフワ感も実感できるでしょう。




誰でもそう考えると思いますが、四方を引っ張ってゆがみを整えてから干すようにするといいでしょう。




これは、繊維の間に空気が充分いきわたることで解消されます。
日当たりが強くない日陰で干す
日陰の風通しの良い場所で広げて干して、風にパタパタなびかせるのが理想的です。








なぜなら、直射日光に当たる干し方は紫外線による色あせをおこしたり、タオルの繊維が固くなったりするのです。
しかしながら、屋根付きベランダに干す場合は窓側で干すなどの、ほんの少しの工夫でタオルは長持ちすることができます。
また、紫外線のピークであり量も多い12時前後はなるべく避けて、紫外線量の少ない時間帯を選んで干すこと、乾いたら早めに室内に取り込むことなどを気をつけてみるだけで、タオルのやわらかさはしっかり維持できるのです。
干し終わってからもバタバタしてパイルを立たせる
タオルは取り込む前に、バタバタしてパイルを立たせることでふんわりした使いやすい状態になります。




そして、いつまでもふんわり柔らかい状態で使うために、やはりふんわりと収納します。
つまり、狭い場所に押し込んで詰めて収納すると、パイルの中の空気が抜けてしまうので、くるくるっと筒状に丸めてふんわり収納するようにしましょう。
まとめ
タオル洗濯方法や干し方、柔軟剤の使い方などについていろいろな発見があったかと思います。
正しい使い方を知っておくことで、良質なものをより長持ちさせることができ、生活にも潤いを届けることができます。
ちょっとした工夫で、日々の生活が豊かに、より過ごしやすいものになるといいですね。
結論から言うと、柔軟剤の使い過ぎはよくないです。