親しい親族や知人のみで執り行う家族葬では、香典を辞退するケースが少なからずある一方、断り切れずにありがたく頂戴するケースも考えられることでしょう。葬儀の後、弔問や郵送によって香典をいただくこともあるかもしれません。
この記事では、家族葬の香典返しに添える挨拶状の必要性と基本的な書き方、具体的なテンプレートについて例文を交えながら詳しく解説します。
それぞれの状況に応じた適切な挨拶状の作成方法をご紹介しますので、ぜひお役立てください。
※挨拶状についてはこちらの記事もご覧ください。
【テンプレート・文例付き】香典返しの挨拶状の書き方|注意点も解説
この記事のもくじ
家族葬の香典返しに挨拶状って必要?
香典を辞退したいと明記していても、故人との関係や「どうしても」という強い申し出によって断り切れないケースもある家族葬。
そのような場合は無理にお断りせず、後日あらためて香典返しとともに挨拶状をお送りするのがマナーです。
- 葬儀の参列者からいただいた場合
- 葬儀後に弔問を受けていただいた場合
- 後日、郵送で届けられた場合
いずれの場合も香典返しと心のこもった挨拶状をお送りすることで、故人の思い出や遺族の気持ちを共有できる貴重な機会となります。
なお、地域によってはその場で一律のお返しを準備しておく「即日返し」をするケースもあります。金額によってはお返しに不足が生じる可能性が考えられますので、その場合は後日あらためてお返しをする必要があることを押さえておきましょう。
※香典返しのマナーについてはこちらの記事もご覧ください
【一覧表付き】香典返しの相場をケース別に解説
【一覧表付き】香典返しの適切な時期は?ケース別・例外も解説
香典返しの挨拶状のテンプレート
香典返しの挨拶状には一般的な構成があり、基本を守ることで感謝の気持ちを丁寧に伝えることができます。よくあるテンプレートとして、次のような構成が考えられます。
- 頭語
- 会葬や香典のお礼
- 法要を滞りなく終えたことの報告
- 個人がお世話になったことのお礼
- 香典返しを贈ることのお知らせ
- 直接あいさつに伺えないことのお詫び
- 結語、日付、差出人の名前
具体的な書き方は、葬儀の形式や故人の交友関係などによってさまざまです。遠方に住む親戚や知人、職場や団体など、個人との関係性によって内容をアレンジする必要があります。
また、内容別では
- 葬儀に参列した方から香典をいただいた場合
- 葬儀に参列しなかった方から郵送や弔問でいただいた場合
- 香典を受け取ったが香典返しを辞退された場合
以上のようなケースが考えられます。
いずれの場合も遺族の気持ちを丁寧に表すことで、受け取った方々に感謝と誠意を伝えることが大切です。
具体的な例文と書き方のマナー
ここでは、葬儀に参列した方から香典をいただいた場合と、参列しなかった方から後日香典をいただいた場合の二つのケースについて、具体的な例文と書き方のマナーを解説します。
ケース①:葬儀の参列者から香典をいただいた場合
①頭語 謹啓
②会葬や香典のお礼
この度は父 ○○○○(故人の名前)の葬儀にご参列いただき
誠にありがとうございました
温かいご厚志を賜り心より感謝申し上げます③法要を滞りなく終えたことの報告
おかげさまで無事に初七日法要を執り行うことができました
ご支援に支えられ滞りなく行えたことを改めてお礼申し上げます④個人がお世話になったことのお礼
故人の生前中に賜りましたひとかたならぬご厚誼に
あらためて心より感謝御礼申し上げます⑤香典返しを贈ることのお知らせ
ささやかではございますが心ばかりの品をお送りさせていただきます⑥直接あいさつに伺えないことのお詫び
本来ならば直接お伺いしご挨拶申し上げるべきところではございますが
略儀ながら書中をもちましてお礼とご報告をさせていただきます⑦結語・日付・差出人の名前
謹白
令和○年○月○日
喪主○○○○
ケース②:葬儀後の弔問や郵送により香典をいただいた場合
①頭語
謹啓②会葬や香典のお礼
この度は父 ○○○○(故人の名前)の逝去に際し
心温まるご厚志を賜り誠にありがとうございました。
温かいご厚志を賜り心より感謝申し上げます③法要を滞りなく終えたことの報告
おかげさまで四十九日法要を滞りなく営むことができました④個人がお世話になったことのお礼
故人の生前中に賜りましたひとかたならぬご厚誼に
あらためて心より感謝御礼申し上げます⑤香典返しを贈ることのお知らせ
ささやかではございますが心ばかりの品をお送りさせていただきます⑥直接あいさつに伺えないことのお詫び
本来ならば直接お伺いしご挨拶申し上げるべきところではございますが
略儀ながら書中をもちましてお礼とご報告をさせていただきます⑦結語・日付・差出人の名前
謹白
令和○年○月○日
喪主○○○○
注意しておきたい書き方のマナー
① 忌み言葉を使わない
忌み言葉とは、不幸や不吉を連想させる言葉のことです。
例えば、「再び」「重ね重ね」などの言葉は避けるべきです。
代わりに「改めて」や「心から」などの言葉を使います。
② 句読点は使わない
正式な文章や儀礼的な文書には、句読点を使わないという伝統的なマナーがあります。
これは、途切れや区切りを避けるためです。
読みやすさを考慮し、改行や空白を適度に使用します。
③ 宗教別に表現を変える
香典返しの挨拶状は、故人や遺族の宗教によって適切な表現を使い分ける必要があります。
例えば仏教では、故人の戒名がある場合に挨拶状の中で触れるケースがあります。
ほかにも神式では「香典返し」ではなく「偲草(しのびぐさ)」という表現を使います。
④その他
「逝去」は亡くなることを指す敬語であるため、挨拶状では使いません。
二重になっている封筒は重なることを連想させるため、一重のタイプを使用します。
他にもある家族葬後の挨拶状
家族葬の後に送る挨拶状には、さまざまなパターンがあります。代表的な例をご紹介します。
例1.家族葬で静かに見送ったことを知らせるための挨拶状
拝啓
○○の候、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。このたび○○(故人の名前)が○月○日に永眠いたしましたことをご報告申し上げます。
故人の遺志により、誠に勝手ながら家族葬にて静かに見送りましたことをお知らせいたします。生前のご厚情に深く感謝し、ここにご報告申し上げます。
今後とも変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます。敬具
例2.家族葬後の法要の日時や場所を知らせるための挨拶状
拝啓
○○の候、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。さて、このたび○○(故人の名前)の初七日法要を下記の通り執り行いますので、ご案内申し上げます。
日時:○月○日(○曜日)○時
場所:○○(法要場所の名前と住所)ご出席いただける方は、○月○日までにご連絡いただけますようお願い申し上げます。
敬具
これらの挨拶状は、状況に応じて書くべき内容が異なりますが、故人を偲ぶための大切な情報となるものです。
いずれの場合も誠意が伝わるよう、気持ちを丁寧に伝えることが大切です。
家族葬の香典返しにおすすめのタオルギフト
今回の記事では、家族葬の香典返しに添える挨拶状の書き方やテンプレートのほか、具体的な例文やマナーなどについて解説しました。親族や親しい友人だけの少人数で執り行う家族葬であっても、香典返しは遺族としての感謝の気持ちをお伝えできる貴重な機会です。
正しい作法やマナーを知ることで、行き違いなく準備ができると良いですね。
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