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この記事を読んでいる方は、めったに書く機会のない香典返しに添える挨拶状(お礼状)はどのようなものを用意すればいいのかを悩んでいることでしょう。香典に対するお礼の手紙のため、一般的な挨拶状で良いのでは?と思っている方もいるかもしれませんね。
実は、香典返しに添える挨拶状は、一般的な挨拶状とは異なります。というのも、香典返しに添える挨拶状には、香典に対するお礼だけでなく、以下を伝える役割もあるからです。
- 法要が無事に終わり、弔明けとなったこと
- 故人が生前お世話になって感謝していること
このため、香典に添える挨拶状は上記の役割が伝わるような構成で書くことが非常に重要です。詳しい書き方は後述しますが、以下が香典返しの挨拶状の構成になります。




さらにいうと、以下の4点も考慮しないとマナーに反するため注意して書かなければなりません。
- 季節の挨拶はしない
- 句読点は避ける
- 重ね言葉を入れない
- 故人が信仰していた宗教にふさわしくない言葉は使わない
そこでこの記事では、香典返しに添える挨拶状について理解を深めていただくために、以下の内容をまとめて説明していきます。
- 香典返しに添える挨拶状の基礎知識
- 香典返しに添える挨拶状の書き方
- 香典返しに添える挨拶状のテンプレート
- 香典返しに添える挨拶状を書くときの注意点
- 【相手別・宗教別】香典返しに添える挨拶状の文例
- 香典返しに添える挨拶状に関するQA
この記事を読んでいただければ、香典返しに添える適切な挨拶状を悩むことなく書けるようになっていただけるので、ぜひ参考にしてください。
※神式あるいはキリスト教式を信仰している方は、弔明け後にお渡しする香典返しにあたる品物に添える挨拶状を書くときに参考にしていただけますので、ぜひご覧ください。
この記事のもくじ
1. 香典返しに添える挨拶状(お礼状)の基礎知識




お通夜や葬儀でいただいた香典に対しては、感謝の気持ちを込めて香典返しの品物をお渡しするときに挨拶状(お礼状)を添えるのがマナーです。
「挨拶状」と聞くと、「いただいたものに対するお礼の気持ちだけを書けば良いのでは?」と思われるかもしれませんね。確かにそうなのですが、香典返しの挨拶状の場合、いただいた香典に対するお礼の気持ちを伝えること以外の役割もあるのです。
まずは香典返しに添える挨拶状の基礎知識を深めていただくために、
- 香典返しにおける挨拶状とは
- 香典返しの挨拶状を送るタイミング
- 挨拶状が必要なケースと必要ないケース
の3つを順に説明していきます。
1-1. 香典返しにおける挨拶状(お礼状)とは
冒頭で説明した通り、香典返しにおける挨拶状(お礼状)は、いただいた香典に対するお礼の気持ちを示すだけの手紙ではありません。
もちろん、いただいた香典に対するお礼の気持ちを示すのがメインの目的ではあるのですが、次のようなことを伝える役割もあるからです。
- 法要が無事に終わり、弔明けとなったこと
- 故人が生前お世話になって感謝していること
そもそも香典返しというのは、いただいた香典に対するお礼の意味もありますが「弔事が無事に終わった」ということを報告する役割もあります。しかし、香典返しの品物だけではその意図は伝わりません。挨拶状を添えることで、弔事が無事に終わったことを相手へ明確に伝えられます。
また、故人は生前お世話になったことへの感謝の気持ちを相手に直接伝えることはできません。お礼を伝えられるのは、遺族だけです。挨拶状を添えることで、故人の代わりに感謝の気持ちを伝えられるのです。
このため、香典返しの挨拶状は、一般的な挨拶状とは異なる形式で書かなければなりません。一般的な挨拶状のように書いてしまうとマナーに反するため注意が必要です。
1-2. 香典返しの挨拶状(お礼状)を送るタイミング
香典返しの挨拶状(お礼状)は、単体で相手に送ることはありません。香典返しをお渡しするときに添えます。
香典返しをお渡しする時期として一般的なのは「弔明け後」です。香典返しは、本来であれば挨拶もかねて直接お渡しするのがマナーですが、法要に参加いただいた人数が多くなると困難です。このため、弔明け後にお渡しする香典返しは、配送もしくは郵送で贈ることが多くなり、直接相手に挨拶へ伺えないため、その代わりとして挨拶状を香典返しと共に送られるのです。
ただ、弔明け後というのは宗教によって異なります。このため、信仰している宗教に合わせて香典返しを贈り、そのときに挨拶状も添えるのがマナーです。
【宗教別・弔明け後の時期】 | |
---|---|
宗教 | 弔明け後の時期 |
仏式 (浄土真宗以外) |
亡くなった日を含めた49日後 |
浄土真宗 | 初七日後1カ月以内 |
神式 | 亡くなった日を含めた50日後 |
キリスト教 (カトリック) |
亡くなった日を含めた30日後 |
キリスト教 (プロテスタント) |
亡くなった日を含めた1カ月後 |
香典返しの時期については、「香典返し 時期」で詳しく説明しています。挨拶状を送るタイミングにも関わるため、一読いただくことをおすすめします。
1-3. 挨拶状(お礼状)が必要ないケース
香典返しには挨拶状(お礼状)を添えるのがマナーとはいえ、実は挨拶状が必要でない例外のケースもあります。そのケースというのが、香典返しをお通夜や葬儀の当日にお渡しする場合です。
お通夜や葬儀の当日に香典返しをする場合は挨拶状が不要な理由は、相手に挨拶もかねて香典返しをお渡しできるためです。
ここで、「でも、挨拶状を添えないのはマナーに反するのでは?」と感じた方もいるでしょう。確かに、直接香典返しするとはいえ、挨拶状を添えないのは気がかりかもしれませんが、直接挨拶した上にさらに挨拶状が添えられていると、くどい印象を与えかねません。
お通夜や葬儀の当日に香典返しをする場合の挨拶状は「絶対に必要ない」というわけではありませんが、直接お返しできるのであれば添えなくて問題ないのです。
香典返しにかける掛け紙については、「香典返し のし」で詳しく説明しているので、
香典返しを用意する前に一読することをおすすめします。
2. 香典返しに添える挨拶状(お礼状)の書き方
香典返しにおける挨拶状の基礎知識を知っていただいたところで、ここからは香典返しに添える挨拶状の書き方を詳しく説明していきます。
「1-1. 香典返しにおける挨拶状(お礼状)とは」で説明した通り、香典返しの挨拶状は、香典に対するお礼以外の役割もあるため、一般的なお返しの挨拶状とは構造が異なります。
以下が、香典返しの挨拶状の基本構造です。




ここでは主に仏式の挨拶文を例に挙げて、1項目ずつ説明していきます。
2-1. 頭語




挨拶状に限らず、手紙は挨拶にあたる頭語で始めるのが一般的です。
頭語として一般的によく使われるのが「拝啓」であるのは、ご存知の方も多いでしょう。「拝啓」は香典返しの挨拶状の頭語としても使えます。
このため、全ての挨拶状の頭語を「拝啓」で統一して良いと思われるかもしれませんね。それでも問題ないのですが、送る相手によっては別の頭語の方が適切な場合があります。以下が、その頭語の例です。
頭語の種類 | 送る相手の例 |
---|---|
拝啓(はいけい) ※拝呈(はいてい)/啓上(けいじょう)も使える |
・相手問わず使える ・面識のない相手 (故人の友人など) |
謹啓(きんけい) ※謹呈(きんてい)/恭啓(きょうけい)も使える |
・目上の人(故人の上司など) ・故人と付き合いのあった取引先(お客様) |
「拝啓」は一般的な頭語なので挨拶状を送る相手問わず使えますが、故人の友人など喪主とは面識のない人に送るときに適している頭語でもあります。
「拝啓」と比べて丁寧な印象になるのが「謹啓」という頭語です。「謹啓」は、故人の上司といった目上の人や故人と付き合いのあった取引先に挨拶状を送るときに適しています。
「拝啓」を頭語として書けば間違いはないのですが、挨拶状を送る相手によって使い分ければ感謝の気持ちも伝わりやすくなります。
2-2. 会葬や香典のお礼




頭語の次に書くのが「会葬や香典をいただいたことへのお礼」を示す文章です。香典返しの挨拶状になるため、お礼の言葉を先に述べるのがマナーです。
具体的には、「先日の(故人)の死去に際し、香典をいただき/お忙しいところ葬儀に参加していただきありがとうございました」という旨の文を書きます。
【会葬や香典のお礼で一般的に使われる文言の例】
香典をのみをいただいた場合 | 先般(続柄)(俗名)の葬儀にはご香典をいただき厚く御礼申し上げます |
---|---|
会葬かつ香典をいただいた方向け | 先般(続柄)(俗名)の葬儀に際しましてはご多忙中にもかかわらずご会葬を賜り誠にありがとうございました |
先般(続柄)(俗名)の葬儀にはご多忙中にもかかわらずご会葬を賜りかつご厚志を賜り厚く御礼申し上げます |
(続柄)には喪主から見た故人との続柄、(俗名)は故人の生前の本名を記載します。
- 喪主から見た個人との続柄…父
- 故人の生前の本名…田中 太郎
→ 先般父田中太郎の葬儀にはご多忙中にもかかわらずご会葬を
賜りかつご厚志を賜り厚く御礼申し上げます
香典は「ご香典」と記載しても問題ありませんが、丁寧な印象にするには「ご厚志」といった言葉を使った方が良いです。
2-3. 法要を滞りなく終えたことの報告




会葬や香典をいただいたことへのお礼を述べたら「法要を滞りなく終えたことの報告」の文章を書きます。
香典返しは「法要が無事に終わり、弔明けとなったことを報告する」という役割もあります。香典や会葬のお礼を述べたら、その報告文もしっかり記載しなければなりません。
具体的には、「おかげさまで〇月〇日に弔明けの法要を無事に終わらせることができました」という旨の文を入れます。
- 〇月〇日におかげをもちまして四十九日の法要を滞りなく済ませることができました
- おかげをもちまして〇月〇日に四十九日の法要を滞りなく相済ませました
- おかげをもちまして去る〇月〇日に四十九日の法要を滞りなく相営むことができました
法要が行われた日付と法要名、その法要が無事に終わったことを明確に書きます。ただし、特に信仰している宗教がない場合は、法要が行われた日付や法要名を入れなくても問題ありません。
- おかげをもちまして諸事万端を滞りなく済ませました
- おかげをもちまして諸事万端を滞りなく相済ませました
法要を「終えた」ことを表す以下は、言葉によって丁寧さの度合いが異なるため、挨拶状を送る相手によって使い分けると印象が良いといえます。
「終えた」ことを表す表現 | 与える印象 |
---|---|
済ませることができました | 一般的な言い回し
→ 相手を問わずに使えるが、故人や喪主と |
・相済ませました ・相営むことができました |
丁寧な印象 (「済む」の改まった言い回しのため) → 相手を問わずに使えるが、故人の上司や |
2-4. 故人がお世話になったことのお礼




香典返しの挨拶状は、遺族が故人の代わりに感謝の気持ちを伝える手紙でもあります。このため、法要を滞りなく終えたことを報告したら「故人がお世話になったことへのお礼」の文章も添えましょう。
具体的には、「生前、故人が大変お世話になりました」という旨の文を入れます。
- 生前に故人が賜りましたご厚誼に改めて心より感謝申し上げます
- 故人の生前中に賜りましたご厚誼に改めて心より感謝申し上げます
- 茲に生前賜りましたご厚誼に改めて御礼申し上げます
故人が相手によくしてもらったことやお世話になったことを表すのが「ご厚誼(ごこうぎ)」です。挨拶状に適した言葉で、故人と大変親しかった友人を始め、上司や取引先といった目上の人に対しても共通で使えます。
2-5. 香典返しを贈ることのお知らせ




香典返しには「掛け紙」をかけるため、どのような目的で品物が贈られたかを相手へ明確に伝えられますが、挨拶状でも改めて「香典返しを贈ること」のお知らせをする必要があります。
具体的には、「供養の証に心ばかりの品を送るるため受け取ってください」という旨の文を入れます。
- つきましては供養のしるしに心ばかりの品物をお届けいたしましたので
ご受納くださいますようお願い申し上げます - つきましては故人の追善供養のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたしますので
ご受納くださいますようお願い申し上げます
「供養の証」を表す言葉は、宗教によって異なります。その言葉については「4-4. 故人が信仰していた宗教にふさわしくない言葉は使わない」で説明しているので、参考にしてください。
2-6. 直接挨拶に伺えないことへのお詫び




最後に「直接挨拶に伺えないことへのお詫び」を表す文章を入れます。
本来、香典返しは香典をいただいた相手に法要を終えたことの報告もかねて直接手渡すものです。しかし、今は配送や郵送で香典返しをお渡しして、直接挨拶に伺うことが簡略化されているため、そのお詫びを入れることが非常に重要です。
具体的には、「本来は直接ご挨拶すべきですが、この挨拶状をもって挨拶とさせていただきます」という旨の文を書きます。
- 本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきとは存じますが
略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます - 本来であれば拝眉の上御礼申し上げるべきところですが
書中をもちまして御礼のご挨拶申し上げます - 略儀ながら書中をもってご挨拶申し上げます
「本来は直接挨拶に伺うべき」を表すのが「本来であれば拝眉(はいび)の上ご挨拶申し上げるべき」です。「略儀ながら書中をもってご挨拶申し上げます」だけでも問題はないのですが、「本来は直接挨拶に伺うべき」という意味の文言が入っている方が丁寧な印象になります。
2-7. 結語




香典返しの挨拶状は頭語から始まるため、手紙の最後には結語を入れます。
一般的に使われる結語は「敬具」ですが、冒頭に書いた頭語に適した結語があることは注意しなければなりません。
以下は、挨拶状を送る相手別に適切な頭語と結語を示した表です。同じ枠に入っている頭語と結語であれば、どれを組み合わせても使えます。しかし、同じ枠にない頭語と結語を組み合わせて使うことはできません。
送る相手の例 | 頭語の種類 | 結語の種類 |
---|---|---|
・相手問わず使える ・面識のない相手 (故人の友人など) |
・拝啓(はいけい) ・拝呈(はいてい) ・啓上(けいじょう) |
・敬具(けいぐ) ・敬白(けいはく) ・拝具(はいぐ) |
・目上の人 (故人の上司など) ・故人と付き合いのあった取引先(お客様) |
・謹啓(きんけい) ・謹呈(きんてい) ・恭啓(きょうけい) |
・謹言(きんげん) ・謹白(きんぱく) ・敬白(けいはく) |
たとえば、頭語が「拝啓」であれば、
- 敬具(けいぐ)
- 敬白(けいはく)
- 拝具(はいぐ)
の3つから結語を選ぶ必要があります。
- 謹言(きんげん)
- 謹白(きんぱく)
- 敬白(けいはく)
の3つは結語として使えません。頭語には適した結語があることを念頭に置いて書くようにしましょう。
2-8. 日付




挨拶状に書く日付は差し出す日を書くのが一般的ですが、香典返しの挨拶状に関しては異なります。香典返しの挨拶状に書くのは、法要が行われた日なので注意しましょう。
年月日の3つを書くのが一般的ですが、年と月だけでも問題ありません。年は「20XX年」と西暦ではなく、「令和〇年」と元号で書くのが一般的です。
2-9. 差出人の名前




香典返しの挨拶状の最後には、差出人の名前を住所と共に書きます。いずれも、喪主の住所と名前を書きましょう。
3. 香典返しに添える挨拶状(お礼状)のテンプレート
ここまで、香典返しに添える挨拶状に書くべき項目とその書き方を説明してきましたが、
「実際、どんな文章を書けば良いか分からない…」
「葬儀などの準備で忙しいから、文章を考える手間を省きたい」
という方もいるでしょう。
そんな方のために、香典返しに添える挨拶状のテンプレートをご用意しました。
香典返しに添える挨拶状のテンプレートはこちら
上記のテンプレートは、相手や宗教問わずにお使いいただけます。黄色のハイライトは、信仰している宗教に合わせて変えていただくと良い箇所になります。クリックをするとダウンロードできるので、後述する以下の章を踏まえて文章を変えながらご活用ください。
→ 4. 香典返しに添える挨拶状(お礼状)を書くときの注意点4つ
一般的な挨拶状の文例
→ 5. 香典返しに添える一般的な挨拶状(お礼状)の文例
故人が信仰していた宗教に合わせた文例
→ 6. 【宗教別】香典返しに添える挨拶状(お礼状)の文例
挨拶状を送る相手に合わせた文例
→ 7. 【相手別】香典返しに添える挨拶状(お礼状)の文例
4. 香典返しに添える挨拶状(お礼状)を書くときの注意点4つ




「1. 香典返しに添える挨拶状(お礼状)の基礎知識」でも説明した通り、香典返しに添える挨拶状の構成は、一般的な挨拶状とは異なります。
さらにいうと、香典返しの挨拶状ならではの注意点もあります。それが次の4つです。
- 季節の挨拶はしない
- 句読点は避ける
- 重ね言葉を入れない
- 故人が信仰していた宗教にふさわしくない言葉は使わない
1つずつ詳しく説明しましょう。
4-1. 季節の挨拶はしない
香典返しの挨拶状では、季節の挨拶は入れません。
- 新緑の候 〇〇様にはお元気でお過ごしのこととお喜び申し上げます
- 風薫る季節となり、〇〇様にはいよいよお健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます
香典をいただいた相手の健康を気遣う文を入れたくなるかもしれませんが、香典返しの挨拶状は、
- いただいた香典に感謝していること
- 法要が無事に終わり、弔明けとなったこと
- 故人が生前お世話になって感謝していること
といった香典返しの挨拶状を送る目的をメインに述べることがマナーだからです。
香典返しの挨拶状では「2. 香典返しに添える挨拶状の書き方」で説明した通り、頭語の後は、すぐに香典をいただいたことへのお礼をしましょう。
OK例〇 | NG例× |
---|---|
拝啓
先般(続柄)(俗名)の葬儀にはご香典をいただき厚く御礼申し上げます |
拝啓
新緑の候 〇〇様にはお元気でお過ごしのこととお喜び申し上げます 先般(続柄)(俗名)の葬儀に際しましてはご多忙中にもかかわらずご会葬を賜り誠にありがとうございました |
4-2. 句読点は避ける
文章を読みやすくするための役割がある句読点は、香典返しの挨拶状では「絶対に入れてはいけない」というわけではありませんが避けるのが一般的です。
句読点は「途中で止まってうまく進まない」ことを連想させます。香典返しの挨拶状には「法要が無事に終わったことを報告する」という役割があるため、文章が途中で切れる句読点はふさわしくないとされているのです。
文章の読みやすさを考慮して句読点を入れたくなるかもしれませんが、香典返しの挨拶状ならではの役割を考えると避けた方が良いといえます。
OK例〇 | NG例× |
---|---|
つきましては故人の追善供養のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたしますのでご受納くださいますようお願い申し上げます | つきましては、故人の追善供養のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたしますので、ご受納くださいますようお願い申し上げます。 |
・もともと挨拶状には句読点を入れない
・句読点を入れると、読解力のある人に対して失礼にあたる
4-3. 重ね言葉を入れない
香典返しの挨拶状には「重ね言葉」を入れないのもマナーです。
重ね言葉というのは「同じ言葉を重ねて使う言葉」のことです。以下が、その重ね言葉の例になります。
- ますます
- いよいよ
- しばしば
- 重ね重ね
- たびたび など
重ね言葉は「不幸が重なる」ことを連想させます。不幸は二度と起こってほしくないことですから、香典返しの挨拶状に記載するのはふさわしくありません。
香典返しの挨拶状の文章を書いたら、上記のような重ね言葉を使っていないか、送る前によく確認しましょう。
・再び/再度
・また
・重なる
・続く など
4-4. 故人が信仰していた宗教にふさわしくない言葉は使わない
香典返しの挨拶状は、どの人に送っても失礼にあたらないような文面で統一して送ることが多いです。
しかし、故人が信仰していた宗教がある場合は、注意が必要です。というのも、宗教によって挨拶状に使って良い言葉と避けるべき言葉というのがあるからです。挨拶状では、故人が信仰していた宗教にふわわしくない言葉を入れるのは避けましょう。
挨拶状の構成は、どの宗教も「2. 香典返しに添える挨拶状の書き方」で説明した通り共通していますが、
- 亡くなること
- 香典
- 弔明けの法要
- 供養の証
の4つを示す言葉は宗教によって異なるため、使い分けが必要です。以下が、上記4つの言葉を宗教別に記載した表になりますので、挨拶状を書くときは宗教に合わせて変えるようにしてください。
意味 | 宗教 | ふさわしい言葉 (一例) |
---|---|---|
①亡くなること | 仏式 | 死去 永眠 など |
神式 | 帰幽 | |
キリスト教 (プロテスタント) |
昇天 | |
キリスト教 (カトリック) |
帰天 | |
②香典 | 仏式 | ご香典 ご厚志 ご弔慰 ご献花 (キリスト教のみ) など |
神式 | ||
キリスト教 (プロテスタント) |
||
③弔明けの法要 | 仏式 | 四十九日の法要 四十九日忌 七七日忌 満中陰の法要 (関西で使われることが多い) |
神式 | 五十日祭 | |
キリスト教 (プロテスタント) |
昇天記念会 記念祭 三十日の記念式 |
|
キリスト教 (カトリック) |
追悼ミサ | |
④供養の証 | 仏式 | 供養/追善供養の しるし |
神式 | 偲草のしるし | |
キリスト教 |
5. 香典返しに添える一般的な挨拶状(お礼状)の文例




ここまで説明してきた香典返しに添える挨拶状の書き方や注意点といった基礎知識を踏まえて、実際に書いてみましょう。
まずは香典返しに添える一般的な挨拶状の文例を、以下2つの相手別に取り上げます。
- 香典のみいただいた方向け
- 会葬かつ香典をいただいた方向け
この章を読んでいただければ、送る相手や宗教を問わない香典返しに添える挨拶状を書けるようになっていただけます。
- 香典返しをお渡しする人が多い
- 面識がない人にも香典返しをする
- 故人が信仰していた宗教が分からない
という方は、ぜひ参考にしてください
5-1. 香典のみいただいた方向け
- 頭語と結語は、丁寧な印象を与えたい場合は「謹啓」と「謹白」を使う
- 亡くなったことを表す言葉を入れる場合は「旅立ち」などを使う
- 法要名は「諸事万端」を用いる
- 香典返しを送ることをお知らせする文には「ご厚情への感謝をこめまして」を入れる
- 直接挨拶できないことのお詫びは「本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきとは存じますが」と加えると丁寧な印象になる
5-1-1. 一般的な挨拶状の文例
先般(続柄)(俗名)の旅立ちに際しましてはご芳志を賜りまして厚く御礼申し上げます
おかげをもちまして諸事万端を滞りなく済ませました
生前に故人が賜りましたご厚誼に改めて心より感謝申し上げます
つきましてはご厚情への感謝をこめまして心ばかりの品をお送りいたしますのでお納めくださいますようお願い申し上げます
まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
□□県△△町一―二
(喪主の名前)
5-1-2. 丁寧な印象を与える挨拶状の文例
先般(続柄)(俗名)の旅立ちに際しましてはご芳志を賜りまして厚くお礼申し上げます
おかげをもちまして諸事万端を滞りなく相済ませました
生前に故人が賜りましたご厚誼に改めて心より感謝申し上げます
つきましてはご厚情への感謝をこめまして心ばかりの品をお送りいたしますのでご受納くださいますようお願い申し上げます
本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきとは存じますが 略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
謹白
令和〇年〇月〇日
□□県△△町一ー二
(喪主の名前)
5-2. 香典と会葬をいただいた方向け
- 頭語と結語は、丁寧な印象を与えたい場合は「謹啓」と「謹白」を使う
- 会葬いただいたことのお礼は「ご会葬を賜り厚く御礼申し上げます」などと記す
- 法要名は「諸事万端」を用いる
- 香典返しを送ることをお知らせする文には「ご厚情への感謝をこめまして」を入れる
- 直接挨拶できないことのお詫びは「本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきとは存じますが」と加えると丁寧な印象になる
5-2-1. 一般的な挨拶状の文例
先般(続柄)(俗名)の永眠に際しましてはご多忙中にもかかわらずご会葬を賜りかつご芳志を賜り厚く御礼申し上げます
おかげをもちまして諸事万端を滞りなく済ませました
生前に故人が賜りましたご厚誼に改めて心より感謝申し上げます
つきましてはご厚情への感謝をこめまして心ばかりの品をお送りいたしますのでお納めくださいますようお願い申し上げます
まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
□□県△△町一ー二
(喪主の名前)
5-2-2. 丁寧な印象を与える挨拶状の文例
先般(続柄)(俗名)の葬儀にはご多忙中にもかかわらずご会葬を賜りかつご芳志を賜り厚く御礼申し上げます
おかげをもちまして諸事万端を滞りなく相営むことができました
生前に故人が賜りましたご厚誼に改めて心より感謝申し上げます
つきましてはご厚情への感謝をこめまして心ばかりの品をお送りいたしますのでご受納くださいますようお願い申し上げます
本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきとは存じますが 略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
謹白
令和〇年〇月〇日
□□県△△町一ー二
(喪主の名前)
6. 【宗教別】香典返しに添える挨拶状(お礼状)の文例




故人が信仰していた宗教があれば、その宗教に合った挨拶状を用意しなければなりません。
宗教によって死に対する考え方はもちろん、法要の名称や弔明け後の時期も異なります。「3. 香典返しに添える挨拶状のテンプレート」でご用意した挨拶状のテンプレートをそのまま使って送ってしまうと、特定の宗教を信仰していた故人に対して失礼にあたってしまう場合があります。故人を尊重するためにも、各宗教にふさわしい挨拶状を書きましょう。
ただ、挨拶状の基本構成は「2. 香典返しに添える挨拶状の書き方」で説明した通り、どの宗教も変わりはありません。「4-4. 故人が信仰していた宗教にふさわしくない言葉は使わない」で取り上げた各宗教にふさわしい言葉を用いれば良いです。
ここでは、
- 仏式
- 神式
- キリスト教・プロテスタント
- キリスト教・カトリック
の4つの宗教別に香典返しに添える挨拶状の文例をご用意しましたので、故人が信仰していた宗教に合わせて文例を活用してください。
6-1. 仏式
- 法要名は「四十九日の法要」などを用いる
※関西地方の場合は「満中陰の法要」にする場合もあるため、確認すること - 亡くなったことを表す言葉を入れる場合は「死去」や「永眠」を使う
- 供養の証を表す言葉は「供養のしるし」あるいは「追善供養のしるし」を使う
6-1-1. 一般的な挨拶状の文例
先般(続柄)(俗名)の葬儀に際しましてはご多忙中にもかかわらずご会葬を賜り誠に
ありがとうございました
おかげをもちまして〇月〇日に四十九日の法要を滞りなく済ませました
生前に故人が賜りましたご厚誼に改めて心より感謝申し上げます
つきましては故人の供養のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたしますのでお納めくださいますようお願い申し上げます
まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
□□県△△町一ー二
(喪主の名前)
6-1-2. 丁寧な印象を与える挨拶状の文例
先般(続柄)(俗名)の葬儀にはご多忙中にもかかわらずご会葬を賜りかつご厚志を賜り厚く御礼申し上げます
おかげをもちまして〇月〇日に四十九日の法要を滞りなく相営むことができました
生前に故人が賜りましたご厚誼に改めて心より感謝申し上げます
つきましては故人の追善供養のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたしますのでご受納くださいますようお願い申し上げます
本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきとは存じますが 略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
謹白
令和〇年〇月〇日
□□県△△町一ー二
(喪主の名前)
6-2. 神式
- 法要名は「五十日祭」を用いる
- 亡くなったことを表す言葉を入れる場合は「帰幽」を使う
- 供養の証を表す言葉は「偲草のしるし」を使う
6-2-1. 一般的な挨拶状の文例
先般(続柄)(俗名)の葬儀に際しましてはご多忙中にもかかわらずご会葬を賜り誠に
ありがとうございました
おかげをもちまして〇月〇日に五十日祭を滞りなく済ませました
生前に故人が賜りましたご厚誼に改めて心より感謝申し上げます
つきましては故人の偲草のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたしますのでお納めくださいますようお願い申し上げます
まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
□□県△△町一ー二
(喪主の名前)
6-2-2. 丁寧な印象を与える挨拶状の文例
先般(続柄)(俗名)の葬儀にはご多忙中にもかかわらずご会葬を賜りかつご厚志を賜り厚く御礼申し上げます
おかげをもちまして〇月〇日に五十日祭を滞りなく相営むことができました
生前に故人が賜りましたご厚誼に改めて心より感謝申し上げます
つきましては故人の偲草のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたしますのでご受納くださいますようお願い申し上げます
本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきとは存じますが 略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
謹白
令和〇年〇月〇日
□□県△△町一ー二
(喪主の名前)
6-3. キリスト教・プロテスタント
- 故人の名前は、俗名あるいは洗礼名を入れる
- 亡くなったことを表す言葉を入れる場合は「昇天」を使う
- 法要名は「昇天記念会」などを用いる
- 供養の証を表す言葉は「偲草のしるし」を使う
6-3-1. 一般的な挨拶状の文例
先般(続柄)(洗礼名・俗名)昇天に際しましてはご多忙中にもかかわらずご会葬を賜り誠にありがとうございました
おかげをもちまして〇月〇日に昇天記念会を滞りなく済ませました
生前に故人が賜りましたご厚誼に改めて心より感謝申し上げます
つきましては故人の偲草のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたしますのでお納めくださいますようお願い申し上げます
まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
□□県△△町一ー二
(喪主の名前)
6-3-2. 丁寧な印象を与える挨拶状の文例
先般(続柄)(洗礼名・俗名)昇天に際しましてはご多忙中にもかかわらずご会葬を賜りかつご献花を賜り厚く御礼申し上げます
おかげをもちまして〇月〇日に昇天記念会を滞りなく相営むことができました
生前に故人が賜りましたご厚誼に改めて心より感謝申し上げます
つきましては故人の偲草のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたしますのでご受納くださいますようお願い申し上げます
本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきとは存じますが 略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
謹白
令和〇年〇月〇日
□□県△△町一ー二
(喪主の名前)
6-4. キリスト教・カトリック
- 故人の名前は、俗名あるいは洗礼名を入れる
- 亡くなったことを表す言葉を入れる場合は「帰天」を使う
- 法要名は「追悼ミサ」を用いる
- 供養の証を表す言葉は「偲草のしるし」を使う
6-4-1. 一般的な挨拶状の文例
先般(続柄)(洗礼名・俗名)帰天に際しましてはご多忙中にもかかわらずご会葬を賜り誠にありがとうございました
おかげをもちまして〇月〇日に追悼ミサを滞りなく済ませました
生前に故人が賜りましたご厚誼に改めて心より感謝申し上げます
つきましては故人の偲草のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたしますのでお納めくださいますようお願い申し上げます
まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
□□県△△町一ー二
(喪主の名前)
6-4-2. 丁寧な印象を与える挨拶状の文例
先般(続柄)(洗礼名・俗名)帰天に際しましてはご多忙中にもかかわらずご会葬を賜りかつご献花を賜り厚く御礼申し上げます
おかげをもちまして〇月〇日に追悼ミサを滞りなく相営むことができました
生前に故人が賜りましたご厚誼に改めて心より感謝申し上げます
つきましては故人の偲草のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたしますのでご受納くださいますようお願い申し上げます
本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきとは存じますが 略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
謹白
令和〇年〇月〇日
□□県△△町一ー二
(喪主の名前)
7. 【相手別】香典返しに添える挨拶状(お礼状)の文例




Pining relatives at funeral
もし余裕があれば、相手に合った挨拶状を用意すると良いです。
もちろん、「5. 香典返しに添える一般的な挨拶状(お礼状)の文例」を参考に挨拶状を書いていただければ間違いはありません。しかし、挨拶状を送る相手が、たとえば故人や喪主と特に親しかった人の場合、一般的な文例にしてしまうと味気なく堅苦しい印象を与えてしまう場合もあります。
- 文章の表現を変える
- 思い出話を添える
といったように、相手によって一工夫加えるだけで気持ちのこもった挨拶状をお渡しできます。基本的な構成をベースに、挨拶状を書く十分な時間を確保できたら相手別に挨拶状を書くことをおすすめします。
ここでは、
- 親戚向け
- 友人向け
- 勤務先の方向け
の3つの方向けの挨拶状の文例を載せるので参考にしてみてください。
7-1. 親戚向け
親戚の方といっても、
- 故人とあまり深い付き合いのなかった人
- 故人と親しかった人
の2パターンの人がいるでしょう。
ここでは、関係性の深さが左右される親戚の方向けの挨拶状として、
- 丁寧な印象を与える挨拶状の文例
- 特に親しかった親戚への挨拶状の文例
の2パターンの文例をご紹介します。
7-1-1. 丁寧な印象を与える挨拶状の文例
こちらは丁寧な印象を与える挨拶状の文例です。故人とあまり深い付き合いのなかった親戚の方に送るときに活用できます。
- 頭語と結語は、丁寧な印象を与える「謹啓」と「謹白」にする
- 香典を表す言葉は「ご厚志」にする
- 法要を済ませたことを表す言葉には「相済ませました」を選ぶ
- 直接ご挨拶できないお詫びで「本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきとは存じますが」と一言加える
先般 亡き父(俗名)永眠に際しましてはお心のこもったご厚志を賜り厚く御礼申し上げます
音楽に詳しくギターを弾くことが大好きな父でした
退職してからは叔父様と一緒に演奏することが 父にとって何より楽しい趣味のひとつとなりました
ふと縁側に目を向けると 楽しそうにギターを演奏しながら唄う父の姿が目に浮かんできます
父が最期まで笑顔で過ごせたことは叔父様のお心遣いの賜物であり感謝の言葉しかございません
おかげをもちまして〇月〇日に四十九日の法要を滞りなく相済ませました
つきましては供養のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたしますのでご受納いただきますようお願い申し上げます
本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきとは存じますが 略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
謹白
令和〇年〇月〇日
□□県△△町一ー二
(喪主の名前)
7-1-2. 特に親しかった親戚への挨拶状の文例
こちらは、故人と親しかった親戚の方に対する挨拶状の文例です。
- 頭語と結語は、一般的な「拝啓」と「敬具」にする
- 直接ご挨拶できないお詫びは「本来であればお目にかかりご挨拶申し上げるべきとは存じますが」とやわらかい表現にする
この度母(俗名)の葬儀に際しお心のこもったご香典をいただき誠にありがとうございました
母は姉妹の中でも仲の良い叔母様と一緒に旅行に行くことをとても楽しみにしておりました
長い闘病生活の中でも叔母様と共通の趣味を持つことが 母にとって嬉しいことだったに違いありません
叔母様のお心遣いに厚く感謝しております
おかげをもちまして〇月〇日に四十九日の法要を滞りなく済ませました
つきましては供養のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたしますのでお納めくださいますようお願い申し上げます
本来であればお目にかかりご挨拶申し上げるべきとは存じますが 略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
□□県△△町一ー二
(喪主の名前)
7-2. 友人向け
友人の場合も、親戚と同じように
- 故人と長い間深い付き合いがなかった人
- 故人と親しかった人
の2パターンの人がいるかもしれません。
どの関係性の友人の方でもお送りいただけるように、友人向けの挨拶状に関しても
- 一般的な挨拶状の文例
- 特に親しかった友人への挨拶状の文例
の2パターンをご紹介していきます。
7-2-1. 一般的な挨拶状の文例
こちらは一般的な挨拶状の文例です。故人と長い間深い付き合いがなかった友人の方へ送るときに活用できます。
- 頭語と結語は、一般的な「拝啓」と「敬具」にする
- 故人が生前お世話になったことを表す文に「親しい皆様に見送られて故人も喜んでいることと存じます」と一言加えて簡潔に感謝を表す
この度(続柄)(俗名)の葬儀に際しましてはご多忙中にもかかわらずご会葬を賜り誠にありがとうございました
生前は〇〇にて大変お世話になりました
親しい皆様に見送られて故人も喜んでいることと存じます
おかげをもちまして〇月〇日に四十九日の法要を滞りなく済ませました
つきましては供養のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたしますのでお納めくださいますようお願い申し上げます
まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
□□県△△町一ー二
(喪主の名前)
7-2-2. 特に親しかった友人への挨拶状の文例
こちらは、故人と特に親しかった友人の方向けの挨拶状の文例です。
- 頭語と結語は、丁寧な印象を与える「謹啓」と「謹白」にする
- 故人から聞いた思い出話や故人が相手に対して抱いていた印象などを加えて、故人にとって相手がどんな存在であったかを表す
この度(続柄)(俗名)の葬儀に際しましてはご多忙中にもかかわらずご会葬を賜り誠にありがとうございました
おかげをもちまして〇月〇日に四十九日の法要を滞りなく済ませました
(続柄)は〇〇様と一緒に出かけることをとても楽しみにしておりました
(続柄)が最後まで笑顔でいられたことは〇〇様の温かいお心遣いのお陰でございます
親しい〇〇様に見送られて故人もさぞ喜んでいることと存じます
つきましては供養のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたしますのでお納めくださいますようお願い申し上げます
本来であればお目にかかってご挨拶申し上げるべきとは存じますが 略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
謹白
令和〇年〇月〇日
□□県△△町一ー二
(喪主の名前)
7-3. 勤務先の方向け
勤務先の方に対しては、
- 故人の上司・同僚
- 故人の後輩・部下
と故人から見た立場に合った挨拶状を用意すると良いです。立場によっては使う言葉も変わるため、相手に合わせた挨拶状を用意すると失礼にあたることはありません。
ここでは、
- 故人の上司・同僚への挨拶状の文例
- 故人の後輩・部下への挨拶状の文例
の2つの立場の方向けの挨拶状の文例をご紹介します。
7-3-1. 故人の上司・同僚への挨拶状の文例
- 頭語と結語は、丁寧な印象を与える「謹啓」と「謹白」にする
- 故人が生前、長年に渡ってお世話になったことを表す文章を入れる
- 「お世話になったこと」は「ご厚情」を使うと目上や同等の立場の人に合う挨拶文になる
先般 亡き(続柄)(俗名)永眠に際しましてはご多忙中にもかかわらずご会葬を賜り誠にありがとうございました
加えまして、(続柄)が生前、長年に渡り賜りましたご厚情に厚く御礼申し上げます
おかげをもちまして〇月〇日に四十九日の法要を滞りなく相済ませることができました
つきましては供養のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたしますのでお納めくださいますようお願い申し上げます
本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきとは存じますが 略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
謹白
令和〇年〇月〇日
□□県△△町一ー二
(喪主の名前)
7-3-2. 故人の後輩・部下への挨拶状の文例
- 頭語と結語は、一般的な「拝啓」と「敬具」にする
- 忙しい中葬儀に参列していただいたことや香典をいただいたことに対するお礼を、冒頭で簡潔に述べる
先般 亡き(続柄)(俗名)永眠に際しましてはご多忙中にもかかわらず温かいお心遣いを賜り厚く御礼申し上げます
おかげをもちまして〇月〇日に四十九日の法要を滞りなく相済ませることができました
つきましては供養のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたしますのでお納めくださいますようお願い申し上げます
本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきとは存じますが 略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
□□県△△町一ー二
(喪主の名前)
8. 香典返しに添える挨拶状(お礼状)に関するQA




最後に、香典返しに添える挨拶状に関するQAを紹介します。
香典返しに添える挨拶状に関してよく挙がる質問に対する答えを載せているので、ぜひ一読してから挨拶状をご用意いただくことをおすすめします。
8-1. 挨拶状はどのような素材がふさわしい?
香典返しの挨拶状に使われる素材としては、以下の2つがあります。
- 奉書…巻紙タイプの挨拶状。正式な挨拶状の素材であり、従来より使われている。
- はがき・カード…はがきやカードタイプの挨拶状。奉書と比べると簡略化されている。
基本的にどの素材を使っても問題はありません。ただ、素材によって印象が変わるため、香典返しの内容や挨拶状をお渡しする相手によっては使い分けた方が良いケースもあります。
素材の種類 | 特徴 (印象) |
向いている人 |
---|---|---|
奉書 | ・お礼の気持ちが伝わりやすい ・丁寧な印象を与える ・堅苦しい印象もある |
・親族や親戚 ・会社関係の人 ・高額な香典をいただいた人 など |
はがき・カード | ・受け取ったら短時間で読める ・簡素な印象もある |
・友人 ・知人 など |
法要や香典返しの準備で慌ただしく、挨拶状の素材にまで気を使う時間がないかもしれません。もちろん無理に気を使う必要はありませんが、特に故人と親しかった人や距離が近かった人に関しては、挨拶状の素材に気を使うとお礼の気持ちが伝わりやすくなるため、考慮すると良いでしょう。
ただ、同じ素材でも柄や質が豊富のため、一人では選びきれないかもしれません。そんなときは、葬儀社にお願いすれば、香典返しに添える挨拶状にふさわしい素材を提供してくれるので、活用すると良いでしょう。
8-2. 挨拶状は手書きが良い?印刷でも問題ない?
忙しい中葬儀に参加いただいたり、香典をいただいたりした相手に対する挨拶状は、手書きでお渡ししたい気持ちもあると思いますが、人数が多いと悩ましいところですよね。
香典返しの挨拶状は、これまで説明してきた書き方や送るタイミングなどマナーを守れば、必ずしも手書きである必要はありません。パソコンで作成したり、挨拶状の印刷サービスを利用したりして、印刷された挨拶状をお渡ししても問題ないです。
ただし、「8-1. 挨拶状はどのような素材がふさわしい?」で説明した素材と同様、手書きと印刷された文章では印象が異なります。
書く手段 | 特徴 (印象) |
向いている人 |
---|---|---|
手書き | ・お礼の気持ちが 伝わりやすい ・丁寧な印象を与える ・堅苦しい印象もある |
特に親しかった人 ・親族や親戚 ・会社関係の人 ・友人 など |
印刷 | ・お礼が簡潔に 伝わりやすい ・味気なく思われる こともある |
あまり深くお付き合いしていなかった人 ・知人 ・ご近所の人 など |
もちろん、手書きかどうか、印刷かどうかでお礼の気持ちの大きさが判断されるわけではありません。しかし、手書きには気持ちが込められた印象がありますから、上記のように故人と特に親しかった人には手書きの挨拶状をお送りすれば、その気持ちが伝わりやすくなるでしょう。手書きで渡された挨拶状は、相手も嬉しくなるはずです。
香典をいただいた人の中から手書きでお送りしたい人をリストアップして対応することをおすすめします。
ただ、香典返しに添える挨拶状は、たとえば百貨店のオンラインショップやギフトの通販サイトで香典返しの品物を手配する場合、そのオプションとして用意されていることが多いです。この場合はそのショップで印刷してくれるため、別途専門業者や郵便局などで挨拶状を手配する必要はありません。
既存の挨拶状ではなく、自分で選んだ素材や文章で挨拶状を印刷してほしい場合は、専門業者や郵便局にお願いすると良いでしょう。
8-3. 挨拶状は封筒に入れるべき?
香典返しに添える挨拶状は、通常の手紙と同じで封筒に入れてお渡しするのがマナーです。
ここで「挨拶状の素材がはがきやカードタイプの場合は必要?」と疑問を持たれた方がいるかもしれません。確かに、はがきやカードは一般的に封筒には入れませんが、香典返しに添える挨拶状は別です。相手に直接手渡しで香典返しをして挨拶をすべきところを挨拶状で済ますわけですから、挨拶状をそのままお渡しするのは失礼にあたります。
封筒には、
- 表…「御礼」もしくは「御挨拶」
- 裏…喪主の住所とフルネーム
を書き、その中に挨拶状を入れて香典返しの品物に添えてお渡しするようにしましょう。
まとめ
香典返しに添える挨拶状は、一般的な挨拶状と同じような構成ではありません。香典に対するお礼だけでなく、
- 法要が無事に終わり、弔明けとなったこと
- 故人が生前お世話になって感謝していること
といったを伝える役割もあるため、香典返しの挨拶状ならではの構成に従って書くことが非常に重要です。




さらに、以下の4点も考慮して書かないとマナーに反するため、注意して書かなければなりません。
- 季節の挨拶はしない
- 句読点は避ける
- 重ね言葉を入れない
- 故人が信仰していた宗教にふさわしくない言葉は使わない
香典返しに添える挨拶状にふさわしい一般的なテンプレートはありますが、故人を尊重してお礼の気持ちをしっかり伝えるためには、信仰している宗教や送る相手に合った挨拶状を書くことも大切になります。
法要の準備など忙しい中で香典返しに添える挨拶状を用意するのは大変かと思いますが、香典をいただいた方にお礼の気持ちをしっかり伝えられるよう、適切な挨拶状をお渡しするようにしましょう。